愛の奴隷

 忙しくなると、冬の晩御飯は鍋になる。


その日は、連続3日目の鍋の予定であった。


保育園の帰り道、娘が「今日の晩ごはんはなに?」といつもの様に聞くので

「今日も鍋だよ」と答えると、「え〜・・・」とのこと。

そりゃあそうだわな。

鍋は大人の食べ物である。


なので私は奮発しようと心に決めた。

18時過ぎると安くなる刺身を買おうと思ったのだ。

「じゃあ刺身を買おう。安くなってるか見てこよう」とついに発言した。

鍋に刺身!超豪華ではないか!無類の刺身好きの娘も、文句はないだろう。


・・・確かに刺身に娘の心はキラめいた。しかし続けて言うのである。

「たまちゃん、海老蒸し餃子がいい」と。

むむむむ!刺身売り場に行けば黙るだろう、と私は判断し、刺身売り場へ直行した。

そして娘がコレがいい、と指差したのは、数種類の刺身の切れっ端がごちゃっと入っていて、安く売っているやつ。そうだ、確かにそれは美味しそうだ。

だからコレと鍋にしよう、と思ってレジに行こうとしたら、娘が言うのだ。

「ああ、もしこのお刺身と、海老蒸し餃子が今日の晩ごはんだったら、たまちゃんは本当に幸せ・・・」



私は愛の奴隷だ。

餃子の皮を買って帰り、その日は帰ってから挽肉にせっせと長ネギを混ぜて、海老蒸し餃子を作った。



去年の4月のコロナの時、娘を一ヶ月休ませた。
たまたま個展の時期で、私が休めたからである。
その際、時間があった私は、インスタグラムに食事の写真を載せるようになった。

しかし、コロナが一時期収まったと思われた後は、日々の忙しさでそれを疎かにし始めたのである。



再びコロナである。
今度は仕事があるがどうしようか。
インスタグラムどころではない!
(とは言いつつ、美味しそうな時は写真を撮っている。載せてないけど・・・)

悩んでいるが、自宅にアトリエを引っ越しして、家で娘と過ごしながら仕事をしようか。

保育園、本当に、努力して休めるなら、休んだ方が保育園にとってもいいに決まっている。
でも仕事のペースは半減すると思う。
保育園は本当に偉大だ。


努力をしたら休める、って本当に大変なことだと思う。

だって努力すると決断するのは私自信だし、実際努力をし続けなければならないのが私自身だからである。
そして、会社勤めの人の場合は、努力しても休むことができないし、私も忙しさがピークになったら娘がいて仕事ができるわけがない。


ミシンの引っ越しはしげるさんに手伝ってもらわないとできないんだけどね。
本当に、コロナが早くこの世からいなくなって欲しい。