母親という存在は、子供にとって人生の初期においては最も影響力のあるものである。
さて私は、母親に「あんたはしっかりしているから」と言われて育って来たので、自分はしっかり者だと信じて疑わなかった。
しかし25歳、26歳くらいの時に、ひょっとして自分はオッチョコチョイなのではないかと疑い始め、友人に尋ねてみた所「今更なに言ってんの?すごいオッチョコチョイじゃん。」と一蹴された。
ショッキングな出来事である。
月曜日、私は車を運転して田んぼの横に車を路駐し、側溝に注意しながら降り立った。
竹籠を4つと、工具箱と、竹二本を抱えて「側溝があるから要注意だな」と思った瞬間、側溝に落ちた。
太ももは擦り傷で血がにじみ、打撲で青く腫れ上がった。
今でも青色の大きな丸の中に、赤いカサブタが重なっている。
腕にも同じように、青と赤の芸術的コントラストを誇る山のような起伏。
私はオッチョコチョイなのである。
そして何よりも、それらはガサツさが合わさって事態が悪化するのである。
荷物が沢山あるなら、二回に分けて運べば良いのである。
そして私は最近、自分がオッチョコチョイなのではなくて単なるマヌケの様な気がしてきた。
ついでに言うと、私が『側溝』というものの存在と単語を知ったのは比較的最近である。
しげる氏の職場のある農村地帯を訪れて、始めて知ったのである。
フタのある側溝に関しては、私の脳みそが感知していなかった代物である。
このように私は、大変バランスの悪い人間なのである。
思い込みも激しい。ズレている。
であるから、育児においてもバランスの悪い子育てをしているのではないかと常に不安である。