
主人公がお風呂に入っていると、湯船の中からカバやペンギン、クジラが現れるというお話。男の子と、動物達のお話です。
娘が好きな絵本は、『人間と人間』、もしくは『人間と擬人化された動物』のコミュニケーションを描いたもののようです。
そして何より、『生活感』とか『日常生活』の、自分の身近な事柄を描いた絵本か、それに加えて『危機』とか『スリル』がある物が好きな様です。
まあ、子供はみんなそんなもんです。
他方こちら。

私が昔大好きだった絵本です。
現在は娘も夢中です。
キツネにそそのかされた女の子が無理矢理キツネの嫁にされそうになり、
結婚式の最中、かまどのススを塗った顔を突然キツネに見せて驚かせ、その隙に逃げて危機一髪と言うお話。セリフが全部東北弁です。

これも言ってみればSFですが、『動物の擬人化』は、現在の娘にとってはSFではなく、現実的なようです。
お風呂から巨大な動物が出て来ることはSFであり、キツネがお話ししてお酒を飲んで騒ぐのは現実的なのです。
前に何かの本で読みましたが、3歳くらいの子供だと顔の付いたロボットを見ても『心がある』と思わない様ですが、一度そのロボットに話をさせるしかけをしてみると、「あ、心があるんだ」と納得するらしいです。
『動物が話す』のは、2歳の娘に取ってはまだまだ現実なんです、きっと。
モノに関する知識は、大人も含め、赤ちゃんにとっても3パターンあります。
・人間の心に関する知識(お母さんが笑っているのは嬉しいからだな)
・生物学的な知識(犬は石や机と違ってご飯を食べる)
・物理学的な知識(カーテンでボールが隠れても、見えなくなっただけで消えた訳ではない)
(なるほど!赤ちゃん学/玉川大学赤ちゃんラボ 新潮文庫)
そう考えると、まだ全ての知識が柔軟で曖昧な娘にとっては、生物学的な知識「キツネは言葉を話さないけど、人は話す」という定義なんてヒョイと超えられるんだなと思います。うらやましいな。
余談ですが、昨夜は寝る前に、娘が
「海苔のつくだ煮の本読んで!」と騒ぎ始めました。
私は意味が分からず、「海苔のつくだ煮って何よ?」と押し問答。
しげるさんが「ほら、あのキツネのじゃない?」との助け舟。
そうです、これです。

『かまどのスス』が分からない娘に対して、私は
「海苔のつくだ煮を顔中に塗って、キツネをワーッと驚かせたのです」
と読み聞かせていたのだった。
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つくだ煮を顔に塗るとかぶれるよ。 |
すっかり忘れていたのだ。
ちなみに娘の好物は、いくら、海苔のつくだ煮、干し椎茸、出汁を取った昆布、ひじき、わかめ。
私と全く同じです。